九州大学 総合理工学研究院 エネルギー環境共生工学部門/総合理工学府 環境エネルギー工学専攻/工学部 エネルギー科学科


Total Utility Demand Prediction System (TUD-PS) 住居系ユーティリティディマンド予測モデルの開発

ここ数年来、地球温暖化に対応した低炭素社会の達成のため、建築物の運用段階でのエネルギー消費とCO2排出量の削減のため、電力と熱の需要が同時に発生する住宅系建物において家庭用コージェネレーションシステム(H-CGS)の普及による総合効率向上に大きな期待が寄せられてきました.

こうした状況に対して、高い総合効率のシステムを構築するためには、2次側の電力、ガス、熱、水等々のユーティリティデマンド高精度かつ高時間解像度で把握し、ベストな要素機器構成、設計法、運用プロトコルを構築することが重要な技術的課題です.

しかし、住宅における冷暖房を主とするエネルギー消費の予測手法は従来、冷暖房や給湯・給水、エネルギー機器の使用スケジュールは、ある標準的スケジュールを入力条件として確定的に付与されることが一般てきでした.しかし、こうした固定スケジュールに基づく時系列デマンドの推算は誤差を生じることが避けられません.

また、複数住戸を重畳して住棟・街区・都市域全体の最大負荷を積み上げて予測する際にも、実態に比べ過大な見積もりとなるため、システム設計の段階における大きな問題でした.

それに対し、当研究室では各個人の生活スケジュールの多様性を考慮し、住戸のユーティリティデマンドを確率的に予測する枠組みTotal Utility Demand Prediction System(TUD-PS)の構築を行ってきました.

モデルの概要

各個人の生活スケジュールの多様性に関して、同一世帯における日々の変動、独身、高齢者、多人数家族といった世帯属性による違い、平日・土日による違い等を考慮し、エージェントベースで多数サンプルの生活

スケジュールを確率的に発生(谷本、相良、萩島;SHASE #110、 2006)

生活スケジュールに応じた居住者の在室スケジュールを決定

空調On/Offイベントの状態遷移確率(谷本他;SHASE #82、 2001)、行為別原単位を組み合わせ住宅の伝熱・熱負荷モデルと連成

住戸のユーティリティデマンド(電気、ガス、水など)を確率的に予測

このモデルにモンテカルロ法を適用し集合住宅の住棟での最大ユーティリティ負荷予測

モデルの応用範囲

電力と熱の需要が同時に発生する住宅系建物において家庭用コージェネレーションシステム(H-CGS)のフィージビリティ検討

ライフスタイルのエコ化や建築的、設備的方策が住居系の節電、省エネに及ぼす効果の定量的評価

低炭素・省エネのための種々の建築、設備、都市エネルギーシステムにおける対策が将来のユーティリティデマンドに及ぼす影響の中長期予測